Rookie (缶)

Rookie (缶)

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春を越え新緑きらめく初夏にふさわしい、フレッシュ感あふれるセッションIPA。さわやかな香りとやさしい苦味がすっきりとまとまり、サクッと軽やかにいつまでも飲み続けられる。めぐる季節のなかで、前を向いて歩き続けるキミ、希望あふれるRookieの未来に乾杯。

  • スタイル :  セッションIPA
  • モルト : ピルスナー、エール
  • ホップ :センテニアル、カスケード、シトラ、シムコー
  • ABV : 4.0%
  • SRM:3
  • IBU : 64
  • 容量: 350ml
Rookieショートショート
「若葉マーク」

なぜだ? 俺は少し焦っていた。
カイトが泣き止まない。ミルクはさっきあげたし、オムツも問題ない。必殺の「いないいないバー」も効かなくなっている。道ゆく人々が眉根を寄せて見てる気がして、汗が背中に滲んだ。ひとまずベビーカーから抱っこして……。
「ぎえー」
何という泣き声。カナがいないとこんなにも心細いものなのか。いや、カナこそいつもこんなに心細かったのか……。
(楽しんでおいで)
(ありがとう。初めてのワンオペ大丈夫かな......)
(任せとけよ。お散歩だって連れてくから)
ミルク、オムツ、夜泣き対応など、子育て全般をサポートしてきたから大丈夫だ。
(うん、お願い)と、カナは友人の結婚式に出かけて行った。カナにとっては、出産後、半年ぶりの単独外出。後顧の憂いなく楽しんでもらいたかった。
だが……。子育て全般をサポートとは、なんたる驕り。カナ、ごめん。きっとカナの負担を理解出来ていない。
「ちょっと、かしてごらん」
突如、道ゆくおばあさんが俺の胸元に手を伸ばし、スルリとカイトを引き取ると、あやし始めた。少しして、カイトが泣き止む。終いには笑い始めた。
神かーー。
「凄いですね...…」
「あんたみたいな新米パパとは年季が違う」と、笑顔でカイトを俺に返す。
「焦ると余計泣くよ。おおらかにやりな」
「あっ、ありがとうございます」
カイトを抱いていなかったら、90度腰を曲げただろう。
公園に着くと、そこは新緑の若葉で命に溢れていた。カイトも目をパチクリさせて木々を眺めている。とても気持ち良さそうだ。
ふと思う。カイトも俺もカナだって若葉なんだよな。みんな初めてのことばかりだもの。いや、若葉マークをつけた家族なんだーー。
愛おしい。カイトの頬にスリスリするとキャッキャと笑った。ああっ、カナの笑顔も見たい。カナの好きなもの、買って帰ろう。