初恋の風

初恋の風

通常価格 ¥715
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ICUオリジナルクラフトビールプロジェクト第3弾

初恋と聞いてイメージする味は? 遠い日の思い出なら「ほろ苦い」とか「甘酸っぱい」かもしれないけれど、青春ど真ん中の大学生が表現する初恋は、ゴールデンカラーの華やかなペールエールです。風にきらめく軽やかなこのビール、初恋と似てさわやかな魔法かも。OGAと同じ三鷹市にあるICU(国際基督教大学)の学生チームが企画・醸造・流通まで手がけるコミニュケーションビールです

※このビール企画は、学生団体「地産地消プロジェクト」の学生主導による企画です。

※販売、ビールについてのお問い合わせは、OGABREWINGへ問い合わせお願いいたします。

※大学へのお問い合わせは、ご遠慮ください。

※ICU構内、学内の飲酒は禁止しております。

  • スタイル:ペールエール
  • モルト:ハイデルベルク
  • ホップ:シトラ、アマリロ、アイダホ
  • ABV :5.0 %
  • IBU :18
  • SRM 3
  • 容量:350ml

~初恋の風ショートショート」~

「今恋の味」

初恋の味を考えろ、なんてとんでもない仕事を仰せつかってしまった。
ビールを飲みながら、ぼんやりと僕の初恋を思い出した。
「何、ほうけてるの?」
丁度、風呂から上がったカナが、ビール片手に僕の前に座った。我が家の定番。晩酌開始。
新商品のアイスが初恋味に決まり、ならば初恋を1番憶えているはずとのことで、技術開発部で最も若手で新婚の僕に、初恋味を作り出す仕事が振られたことを説明する。
「へー、そりゃ大変だ」
「やっぱり、甘酸っぱいかな」
中学の時に告白も出来ず、片思いだった僕にはそんな味にしか思えない。
「そうねー」
カナが遠い目をする。
そう言えば、カナの初恋の話なんて聞いたことなかった。何かを思い出しながら口元が緩むカナを見ていたら、なんかモヤモヤっとしてくる。そんなニヤけてるってことは、きっと、カッコいい奴だったんだろうな...。
ビールをグビリ、グビリと粗々しく飲んだ。
しばらくして、「風…。爽やかな風って感じ」と、カナが結論した
「へー」と、一旦平静を装う。味より何者かが気になって、聞くつもりはなかったのに、「どんな人?」と聞いてしまった。
「気になる?」
イタズラっぽい顔でカナがニヤつくので、「いや、別に。仕事だから」なんて言ってみる。
「ふーん」と、お見通しなんだからという顔をすると、「保育園で一緒だったケイタくん」とカナが告白した。
「ほー、だろうね」と、意味不明な相槌を打ちながら、実はホッとする。
足が速くて、風のような子で、すぐどこかに走って行ってしまうケイタくんをいつも追いかけていたらしい。
「今思うと、いつも近寄ってくる私って迷惑だったかもね」
「だろうね」
「妬いた?」
「保育園児に妬くかよ」と、プイと横を向いた後、「いや、実はちょっと」と小声で付け加えた。
「バカだね」
二人でケラケラと笑った。
カナの笑顔を改めて見ると、やっぱり可愛いな、なんて思う。酔ったかな?
初恋もいいけど、今恋の方がいいに決まってるーー。
ちなみに、僕らの恋の味はビール味かな。