ヴァイス伯爵

ヴァイス伯爵

通常価格 ¥715
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ドイツ語で”白”を意味する「ヴァイス」を冠に、小麦麦芽を使うビアスタイル「ヴァイツェン」を造りました。“白”の世界に想いを馳せて、とことん寄り添い生まれたのは、シュッとクールでほの甘い風味と透明感のあるさわやかな余韻。なめらかな口当たりも親しみやすい。造り手の思いは飲む人の空想をON、さわさわと麦穂が揺れる遠い世界へ誘ってくれるかも。苦いビールが苦手な方、また、クラフトビールデビューにもおすすめ。

  • スタイル : ヴァイツェン
  • モルト : ハイデルベルク、ウィート、カラピルス
  • ホップ : ザーツ
  • ABV : 4.0%
  • IBU : 6
  • 容量: 350ml
ヴァイス伯爵ショートショート
「オーマの故郷」

車椅子を押して外に出ると、新緑の映える青空が僕らを迎えてくれた。
「気持ちいいね、オーマ」
祖母が振り向き、そうねとニコリとした。祖母はドイツ人。だから、僕は小さい時から、祖母のことを、ドイツ語でオーマ(おばあちゃん)と呼んでいた。もう百歳に近い祖母は、この介護施設で暮らしている。
少し人気のない場所まで移動すると、祖母にお土産を見せた。
「これオーマを想って造ったんだ」
僕が手にするビール瓶に、祖母が目を丸くする。
「飲んでみる? ここなら見つからない」
「酔っぱらわなきゃ、叱られないさ。ここは結構自由なんだ」
グラスにビールを注ぎ、祖母に手渡すと、鼻を近づけて香りを確認した。
「ヴァイツェンだね」
さすがドイツの人だ、と思う。
グラスを傾け、一口飲むと、うーん、という声を出しながら目を閉じた。
「故郷を思い出すね。黄金に輝く小麦畑。フェストで唄う人々……
祖母は貴族の末裔。小さな伯爵家の出身だという。戦争で全てを無くし、貧乏なドイツ文学者で日本人の祖父と出会い、そして異国で最後を迎える……。苦労続きではなかったか。この歳で醸造家に転職した僕。このビールを造りたかったのかもしれないーー。
「故郷に帰りたい?」
僕の問いかけに、そうだねぇと考えながら、ビールを空にかざした
「ここも故郷さ。こんな美味しいヴァイツェンが飲めるんだから」
そして、ウインクしながら続けた。
「次はへーフェを造っておくれ」
頼もしくて、ハハッと笑ってしまう。
「アレス クラァ(了解)!」
祖母の口癖で応えた。