東京ヴェルディ公式オリジナルクラフトビール第一弾。チームメインカラーのグリーンを表現するために、ケールを使用。スタジアムの青々とした香りやイメージを表現したすっきりセッションペールエール。
※グラスに注ぐときは、一度逆さにして泡立たない程度に少し振ってから注ぐと、綺麗な緑色になります。
- スタイル : セッションペールエール
- モルト : エール、ハイデルベルク、ウィート
- ホップ : カスケード、ザーツ、センテニアル
- 副原料 : ケール
- ABV : 4.0%
- IBU : 24
- 容量: 330ml
東京ヴェルディ「1969BEER Session Pale Ale」ショートショート
「三つ子」
ただ風が吹いていたーー。
長年勤めた会社を辞めた帰り道、ふと振り返った時のこと。
俺の歩んだ半世紀には何もない……。
しばらくした頃、弟が連絡してきた。
「リストラ? 何だとしても引きこもってるんだって? エリートは打たれ弱くて困る。50過ぎて、母ちゃんに心配かけんなよ」
一緒に東京に出てきた弟は真反対の性格。職を転々としているが生き抜く力は抜群だ。
サッカーでも見に行こうと誘われた。
「グリーンの方を応援してる」
弟が目を細めた。
「田舎にもチームあるだろ。何でそっち応援しないんだ?」
「1969生まれなんだ。そう、俺たちと同じ。しかも山あり谷あり。そこも俺たちと同じ。でも、まだまだ頑張ってる」
双子の弟は俺に顔を向けた。
「そこも俺たちと同じだろ?」
何だか悔しくなって、肩で弟を小突いた。
ボールを必死に追っている選手を見つめる。
また風を感じようーー。
彼らのように。自分が前を見て走ることで起きる風を。