焙煎された大麦を使用して、香りと苦味を表現。麦由来の濃厚な深みと複雑な味わい、ロースト感の余韻が長く続く味わいが特徴。
- スタイル : ダークIPA
- モルト : マリスオッター、カラヘル、ハイデルベルク、ロースト
- ホップ : センテニアル、チヌーク
- ABV : 6.0%
- IBU : 40
- 容量: 330ml
Polar Nightショートショート
「永遠の刹那」
全く荒唐無稽な話だーー。
でも、飛行機の窓から見える見知らぬ国に何かがあるような気がした。
少し前、僕は突然の余命宣告を受けた。
今、隣の席で眠るカナと結婚して一年。これから幸せになるはずだったのに……。
2人で泣いた。泣き続けた。
そんな僕らを気にもせず、いつものように、太陽は登り、そして沈んでいった。太陽がその営みを繰り返すだけ、僕は終焉に近づいていく。太陽が憎いと初めて思った。そんなとき、カナが言った。
(フィンランドに行こう)
「本当に太陽が沈まないんだな……」
僕らは白夜の中にいた。
(太陽が沈まなければ、余命が減らない)
カナの発想であり、フィンランドに来た理由。
そんなわけはない。でも、僕らはやってきた。
そして……。
カナは正しい、と思った。
「これからは少し笑おうよ」
「ああっ」
僕らにはまだ時間がある。きっと何か出来るはずだ。
やっぱり、太陽は嫌いじゃない。たとえ沈んだとしても。