落語を聴きながら飲みたい「落語シリーズ」がスタート! 演目名を掲げて、噺の内容を彷彿するラベルと味わいで展開します。記念すべき第一弾は、「文七元結(ぶんしちもっとい)」。人情あふれる人間模様と江戸っ子気質を、しっかり骨格のあるIPAで表現。複雑な香りと苦味、長く心地いい余韻を保つ旨味は、頑固なようでとことんやさしい。
これまでありそうでなかった、落語に寄り添うビールです。
- スタイル : IPA
- モルト : ピルス、エール
- ホップ : カスケード、モザイク、アマリロ
- ABV : 5.0%
- IBU : 40
- 容量: 330ml
文七元結ショートショート
「親孝行な娘」
本当にまずい。
妻の出産予定日を一週間後に控えた今、明後日から一週間の海外出張が入った。
(出産には立ち会ってね)
仕事を取るか、家庭を取るか。人類が悩んできた問題ーー。
自分にとっても子供との初対面を妻と迎えたい。ただ今回の仕事は外せないのだ。
ひとまず今日の妻の誕生日を祝って、ご機嫌なタイミングで相談するか……。手に持ったバラの花束を握りしめる。
その時、前を歩いていたお婆さんがうずくまるのに気づいた。苦しそうに胸を抑えるお婆さんを見て迷わず救急車を呼んだ。
病院に付き添い、気づいた時には妻と誕生日を祝う時間をとっくに過ぎていた。バラもバラバラ......。恐る恐るスマホを手に取ると案の定、ライン電話の山.....。詰んだなと思った刹那、(〇〇病院に来て!)とある最後のチャットに目を見張る。
ここだよーー。
昨日立ち会い出産で産まれた乳児室にいる娘を眺める。なんて可愛いんだ。産まれた時から親孝行だな、お前。