東京ヴェルディ公式オリジナルクラフトビール第3弾。今回は、東京の多様性の融合を表す“シャインホワイト”にインスパイアされ、歴史ある白ビール「ベルジャンホワイト」を醸造。コリアンダー、オレンジピール由来の、心地良いさわやかさと小麦の旨味が静かに広がります。熱気で暑いスタジアムのクールダウンお供に、ぜひ。
- スタイル : ベルジャンホワイト
- モルト : ピルスナ―、ウィート
- ホップ : ザーツ
- ABV : 5.0%
- IBU : 20
- 容量: 330ml
東京ヴェルディ「1969BEER Session Pale Ale」ショートショート
「宵の明星」
ガシャーン!
数えきれない転倒を見てきたけど、今回のは大きい。さすがに少年は挫け、倒れた自転車を起こそうともせず、ベソをかいて目元をゴシゴシと腕で拭った。お父さんは少年の服の汚れを払ってあげるが何も言わなかった。
「暗くなってきたから辞めよう」
「まだ大丈夫だよ」
「ヘルメット壊れたから辞めよう」
何度もぶつけて傷がついた白いヘルメットを確認すると、「緩んだだけだよ」とお父さんは留め具を直した。
言い訳を言い尽くした少年がしばらく涙を流す。お父さんは黙って少年の背中をさすった。
出来ないことを何かのせいにしてないかーー。
自分に言われている気がした。
「もう一回やる」
少年は自転車を起こした。
「離さないでね!」と何度も聞く少年に、「離してないよ」とお父さんは答えながらついに手を離す。
フラフラと一人で漕ぎ出す少年に心の中で喝采した。
傷だらけのヘルメットが街灯で星のように輝いた。
カッコいいぞ、少年。僕も負けていられない。